2022.Gulick

小学生の英語スピーチコンテスト「渋沢・ギューリック杯」

目次

小学生のスピーチコンテスト「渋沢・ギューリック杯児童英語表現大会」が、2022年2月27日に岡山市中区西川原プラザで開催されました。

今年は、メイプルからは9名の児童が参加しました。

例年、山陽新聞本社のさん太ホールで行われていたギューリック杯、今年度は西川原駅すぐの西川原プラザで開催されました。

さん太ホールは広々としていて収容人数も多いのですが、今年はかなり小規模な会議室が会場でした。

西川原プラザはメイプル岡山教室からとても近いので、教室に車を停めて歩いて会場入りしたメイプルの先生も何人かいました。

どんなスピーチコンテスト? 「渋沢・ギューリック杯」の特徴

決められた課題文から発表

渋沢・ギューリック杯では、決められた課題文が15あり、その中から一つ選んで発表します。

渋沢・ギューリック杯になる前は、県知事杯と呼ばれていて、そのころは12の課題文だったのですが、渋沢・ギューリック杯になってからさらに3つの課題文が追加され、15の課題文が用意されています。

課題文には、簡単なものから難しいものまでいろいろあります。

内容に関してもたくさん種類があるので、いろいろなスピーチに挑戦できます。

小学校の内に英語での表現力を磨くために長期的に練習を重ねていくのには適しています。

課題文

  1. American and Japanese Friendship Dolls
  2. Reischauer Trophy English Speech Contest for Junior High School Students
  3. Four Seasons in Okayama Part 1
  4. Four Seasons in Okayama Part 2
  5. Momotaro
  6. Bizen Ware
  7. Korakuen Garden
  8. Bikan Historical Area in Kurashiki
  9. Kibiji Area
  10. Democracy
  11. The Internet
  12. The Statue of Liberty
  13. Speech about the Friendship Ambassador by Sidney L. Gulick (Part 1)
  14. Viscount Shibusawa Eiichi
  15. Speech about the Friendship and Ambassador by Sidney L. Gulick (Part 2)  

小学校1年生から出場できる

渋沢・ギューリック杯には、小学校1年生から出場できます。

どの言語でも習得するまでには何年もかかりますが、小学校の期間に何回も出場できて、英語の表現について学ぶ機会がたくさん持てることは良いことです。

毎年、他の学年の発表者を大勢見ることができるのも勉強になります。

その他の岡山県内の英語スピーチコンテストについては、こちらの記事をご覧ください。

子供たちは大きく成長しました!

メイプルからは9名が出場しました。

全員が練習の過程で、英語の発音やイントネーション、表現方法など、多くのことを学び、発表当日の経験で大きく成長しました。

 

スピーチコンテストに向けてどんな練習をするの?

スピーチコンテストに向けての練習と言えば、まずは暗唱です。

ギューリック杯は、暗唱しなくても良いとなっていますが、スピーチコンテストでは表現力を競いますので、発表文の内容自体の理解があいまいな状態では、聴衆の心に響くスピーチをするのは難しいと言えます。

ですので、表現力を高めるためには、まずは課題文を暗唱することが大事です。

暗唱は、ネイティブの先生が録音した音声に合わせて、発音や抑揚を練習し、スピードや間の取り方などに気をつけながら覚えていきますが、それは本当に初期の初期の段階で、覚えてからもたくさん練習して研ぎ澄ましていきます。

スピーチコンテストに向けて練習していく内容については、かなり長くなってしまうので、別のブログ記事「英語スピーチコンテストの審査項目と練習方法」でご紹介していますので、ぜひそちらをご覧ください。

今年はジャッジからの講評があった

今年はジャッジからの講評を聞くことができました。

というのも、昨年はコロナ感染防止対策などでコンテストの終了が遅くなってしまったのか、講評が割愛されるという残念なことが起こりました。

複数の保護者の方から、写真撮影よりも講評が聞きたかったのに、、、というお声を聞いていたため、今年は主催者の方に開始前にお話しし、講評の時間を取ってくださるということを確約いただいていました。

2名の審査員から共通して出された講評は「英語のスピーチミュージックが大事」

ネイティブの審査員2名が講評をくださいましたが、共通して強調していた点は、
「英語のスピーチミュージックが大事」であるということでした。

英語のスピーチミュージックと言うのは、英語独特の音楽のような音程とリズム、強弱の変化でProsody(プロソディ)と呼ばれるものです。

具体的には、

声の高低差(強勢やイントネーション)
声のボリュームの強弱
強音の時のはっきりした発話と弱音の時の「あいまい母音」の音
英語らしい声帯の使い方
有声音と無声音によるリズムの違い
基本的に強調される音節や、文脈や意見によって強調される音節の変化

などが含まれます。

詳しくは、「英語スピーチコンテストの審査項目と練習方法」で書いていますので、そちらの記事をご覧ください。

そのほかは、一人の方は「はっきりした発話」と正しい発音が大事だとし、

もう一人の方は「Schwa(あいまい母音・弱音)」の発音が大事だと話されました。

全く相反することを話されているかのようですが、実は、これが英語のスピーチミュージックでは大事なポイントでもあります。

強調するところは、はっきりと伝わるように、聞こえやすく、長く、大きく、高く発音する。

強調しないところは、極力まで声を落とし、低く、短く、小さく、素早く発音する。

こうすることで、英語独特の自然なスピーチミュージックが生まれるのです。

なので、お二人は、同じことを違う観点から仰られていたということになります。

今年は講評がいただけたのは良かったのですが、タイミングが残念でした。

昼食休憩をはさんで午後の決勝スピーチ終了後だったため、予選だけで帰らなければいけなかった子供たちは、審査員の講評を聞くことができなかったことです。

決勝に残った子供たちはみんなジャッジが指摘していた点はほぼできていたので(ジャッジも認めていました)、来年に向けて英語の発音の基本を身につけるためには、決勝に残れなかった子供たちにこそ直接聞いてほしかった講評でした。

スピーチコンテストの結果は?

9名のうち、4名(黒井神花さん、高田果音さん、兒玉怜奈さん、兒玉実桜さん)が決勝に進出することができました。

決勝ではもう一度発表する機会がいただけますので、一日でそれだけ多く経験を積むことができるのはありがたいです。

決勝の結果は次の通りでした。
見事受賞されたみなさん、おめでとうございます!

準優勝 渋沢・ギューリック賞 兒玉実桜さん 清心小6年
特別賞 岡山県知事賞     兒玉怜奈さん 清心小4年
特別賞 岡山教育委員長賞   高田果音さん 本荘小6年

小学6年生の人は、中学校になったら高円宮杯や、ライシャワー杯などのコンテストがありますので、暗唱だけでなく、自作のスピーチの発表である創作部門にも出場してみてくださいね。

小さい頃からの、努力と時間の投資の積み重ねは、大きくなって複利効果で戻ってきます。

英語ができると世界が広がりますが、スピーチで伝える力や影響力を持つことができれば、リーダーシップやコミュニケーション力といった、英語力以上のスキルも得ることができます。

それらのスキルは、将来、社会に出る時、社会人になってから、いかんなく発揮されますので、今後もさらなる努力を重ね、英語力と表現力に磨きをかけていってほしいと願っています。

優勝者のスピーチはどうだった?

今回、メイプル生は優勝を逃してしまいましたが、優勝したお子さんの表現力は抜群に優れていました!

聴衆みんなが、もう釘付けになって目が離せない!というくらい、訴えかける力が強かったです。

彼の目線の使い方、笑顔、話の流れをわかりやすくするためのジェスチャーなど、すべてが自然体で、彼の世界に引き込まれるスピーチでした。

ただ、声が非常に小さかった!

私は最後尾に座っていたのですが、マイクを使っているにもかかわらず、「今、なんて言った??」っていう瞬間が何度もありました。

しかし、優勝の決め手となったのはやはり表現力の豊かさだったと思います。

そして、今年は例年と比較して会場が6分の1ほどの大きさで、ジャッジと発表者の距離が遠くなかったということも彼にとっては幸いしたと考えています。

いつもの大きな会場でしたら、声の小さいお子さんはまず良い賞をいただくことはできなかったからです。

 

私たちはみんな、主観的に良いと思ったものに投票してしまうのは当然です。

ジャッジも、彼の群を抜いた素晴らしい表現力に心を打たれ、優勝者に選ばれたのだと思います。

彼の素晴らしい表現力は、出場した子供たちも大変高く評価していました。

自然さと表現力、これは彼の天性の才能のように感じましたが、そのような才能を生まれ持っていない人でもどうやれば再現可能になるのか、今後の指導に反映させていきたいと思います。

渋沢・ギューリック杯はこんな人に向いています

渋沢・ギューリック杯は、小学生低学年で耳の良い時期から、英語の発音に注目し、英語を自分の声で豊かに伝えるスキルを身につけたい人に向いています。

他の小学生の英語表現力を見て、自分も学びたい!と思っている人にとっては、長い年数をかけて英語の表現について学べる機会を与えてくれる「渋沢・ギューリック杯」に挑戦することは、とても良いと思います。

英語は長期運用と複利効果で考えよう!

誰もが知っている通り、英語力は一朝一夕には身につきません。

1年間、他の人の10倍練習をしたとしても、10年間ずっと頑張ってきた人にはなかなか勝てません。

なぜか?

それは、単純な時間の合計ではなく、長年かけて身につけたスキルが複利効果を生むからです。

そして、同じ期間で身につけられることには限界があります。

たとえて言うなら、年利2%の積み立て貯金のようなものです。

1.積立期間=英語を学習した期間
2.年間運用利率=英語を自分の言葉として運用すること

3.毎月積み立てできる予算=英語にかけられる時間

 

これらの掛け算で得られるのが英語力になります。

注意が必要なのは、「英語にかけられる時間」には、月々の収入と同じで上限があることです。

手取りが20万円の人が、40万円を毎月積み立てることはできないように、長期間の運用を前提とすることが大事です。

一日24時間しかないですし、他にもしなければならないことがありますので、「頑張ってやればなんとかなる!」という雲をつかむような考えがうまく行かないのはこのためですね。

2の年利というのは、英語を日々どれだけ使って、自分の言語として体にしみ込ませているか、だと考えてください。

良い例は、海外に1年間留学するようなケースで、2の年間運用利率と、3の英語にかけられる時間が激増するので、結果が大きく変わってきますが、やはり1の積立期間が大事なのは、最初のスタート地点が変わってくると、掛け算で出てくる答えも変わってくるからですね。 

英語は言語です。

泳ぎ方をいくら本で読んで頭でわかっても、実際に泳げるようにはならないように、使うための英語を身につけるには、体得するしか方法はないということですね。

さて、ここからは少し話題を変えて、渋沢・ギューリック杯に出場するメリットとデメリットについて見ていきたいと思います。

渋沢・ギューリック杯に出場するメリット

英語のスピーチコンテストは、ただ単に英文を覚えて発表するだけではありません。

課題文をたくさんの人の前でわかりやすく「プレゼン」する力が問われますので、たくさんの時間を使って準備していかなければいけません。

そして、評価の対象になるということは、普段のレッスンなんかとは比べ物にならないほどかなり緊張します。

では、そんな大変で緊張することになぜみんな出ようとするのでしょうか?
それは、挑戦することに大きなメリットがあるからです。

ここでは、渋沢・ギューリック杯に出場するメリットをご紹介しています。

スピーチコンテストに出ること自体のメリットは、別のブログ記事にてご紹介していますので、そちらをご覧ください。

メリット① 大体毎年同じ実行委員とジャッジなので安定している

スピーチコンテストは、何を基準に審査したのかよくわからないブラックボックス状態になることがよくあるので、不公平さを感じ、やる気をなくしてしまうということ声をよく聞きます。

審査員は人間ですのでどうしても主観が入りますし、毎年違う人が審査しているのでは、結果をどうとらえてどう改善すればよいのかわからなくなってしまうものですが、ギューリック杯は同じ審査員の方が審査してくださるので、結果が安定しているという印象を受けます。

ネイティブのジャッジが2名と日本人のジャッジ1名の3名で審査してくださっています。

ジャッジはすべて男性なので、個人的には、女性の審査員が入るともっと良いと思います。

メリット② 小学校1年生から出場できる

岡山県では、ギューリック杯以外にも、岡山県知事杯やノートルダム杯など、英語スピーチコンテストはいくらか開催されています。

ただ、他のスピーチコンテストは学年制限がありますが、ギューリック杯は珍しく小学1年生から出場できます。裾野が広いのはありがたいですね。

何年間にもわたって舞台に立つ経験を積みつつ、英語の表現力を磨く練習ができるのは、ギューリック杯の非常に良い点だと思います。

渋沢・ギューリック杯に出場するデメリット

デメリット① やや透明性に欠ける点がある

数か月前からの告知と募集、プログラムやメダル作り、トロフィーや会場など、岡山県内の小学生のためにあれだけの準備をしてくださって、子供たちが英語のスピーチ発表を通して成長する機会を作ってくださっているのは、本当にありがたいことだと思います。

しかし、問題点がないわけではありません。透明性に欠ける部分が少しあるため、後味が悪い思いをした、というのは、今まで複数のご家庭からお聞きした意見です。

例えば、どのような観点からスピーチを評価しているのかということが明記されていないため、どのように決勝進出者が決まったのかがはっきりとわからないという点。

次回のために改善しようにも方法がはっきりとわからないので、いろいろと思う悩むことになってしまいます。

 

デメリット② スピーチがたくさんあって迷ってしまう

スピーチがたくさんあることはメリットでもあるのですが、初めての人にとってはどれにしようか迷ってしまう点もあると思います。

何年も続けて挑戦できるのは良いのですが、どれにするか決めるのは少し大変かもしれません。

以前は、1年目は見学に行ってから、翌年から挑戦!ということもできたのですが、今はコロナ禍で一般の見学ができませんので、余計に選ぶのが難しいかなと思います。

まとめ

渋沢・ギューリック杯は間口が広いコンテスト

渋沢・ギューリック杯は、小学校1年生から6年生までが参加でき、スピーチ初心者から上級者まで、間口が広く誰でも挑戦しやすいコンテストです。

評価や運営方法に少し透明性が欠ける部分もありますが、実行委員をされている方は、子供たちのためにいろんなことを準備してくださっています。

コロナ禍で、他の多くのコンテストが中止される中、子供たちの学びと成長を止めないように、延期や感染対策をしながら決行してくださっているのは、本当にありがたいです。

安定して開催されているので、一生懸命に頑張って準備した努力が無駄になることもないですし、大変信頼できるコンテストだと言えます。

中学生になったら、もっとたくさんの英語スピーチコンテストがありますので、大きくなってから挑戦したいな、と思っている人は、小学校の間に舞台に立つ経験を積んで、度胸をつけておくために、渋沢・ギューリック杯のようなコンテストに参加されるのをお勧めします。

こんなブログです

英語という便利な言語を身につけたことで、自分の世界も子供の世界もどんどん広がることが楽しくて楽しくて(笑) この便利さと楽しさをみなさんに体験してもらえるよう、効率的な英語習得や英語子育ての方法を、第二言語習得理論の観点からお話していきます。

英語学習についての記事

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こんな人が書いてます|Eiko:岡山生まれ、岡山育ち。

英語は中学がはじめましてのコテコテ学校英語でスタート。22歳から一念発起して英語を本格的に勉強し始め、3年後には試験勉強ゼロのTOEIC初受験で945。さらにその1年後に英検1級を取得。留学経験なし!


二児の母。日本にいながら、特別なスクールに通わせることなく、DIYの独自英語教育で二人の子どもを日英完全バイリンガルに育てました。

資格:TOEIC985、英検1級、TESL



学生時代の英語と言えば、中学1年から英語を始めたコテコテの日本語モノリンガル。

高校の英語担当の先生から「お前の英語は大学受験には使い物にならん!」と言われてしまいました。


英語の成績は振るわなくても(高校卒業時点で英検3級しかなかった!)、英語自体は大好きだったので、なぜか「英語くらいは絶対に喋れるようになってやる!」という変な自信があったのと、鼻息だけは荒かったのは覚えています(笑)

ただ、世の中そんなに甘くない!(苦笑)

今のカナダ人の夫と結婚し、カナダに1年10か月住んでいましたが、自信がなくて英語が全く声に出せず、外に出るのが恐くて、電話が鳴ったら悲鳴を上げるくらい怯える状態。。。

結果、1年10か月の内の1年半は、ずっと自宅に引きこもりをしていました。


そんなダメダメ状態でしたが、トロントの銀行でのとても嫌な出来事から、「この国では英語で主張しないと、いないのと同然の扱いを受ける」ということが骨身に染みて、それ以降は堰を切ったように話すように。

間違ってもいいからとにかく話さないと!の態度がやっと身につきました。(と言っても、いまだに間違えるのは恐いので、しゃべるのには勇気が要るんです。性格は変わらないけれど、自分の特性に合った対策はできますよ。)


その後1年半のうちに、TOEIC945と英検1級を取得しました。

今まで指導してきた生徒の多くは、高校卒業までにTOEIC900以上、英検1級・準1級を取得。
卒業生ので英語圏の大学に正規留学した生徒は5名、その他、東京大学(理1,2,3)、京都大学(物理学・法学)、名古屋大学(工学)、九州大学(経済学他)、岡山大学(医学部他)など。

英語は新しい扉を開けてくれる魔法のツール。どんなチャンスがやってきても逃さないように、生涯英語力を上げ続けることと信じてます。

趣味をほぼ全部英語がらみにすることで、日本にいながらも英語力を上げ続けています。
     

今年は

スピーチコンテストに向けての指導も行っています

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