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英語のスピーチコンテストで審査の対象となるのは、大きく分けて3つです。

1.内容と構成
2.伝える力=技術
3.聞かせる力=表現

英語のスピーチコンテストに向けての練習では、これらを順に身につけていきます。

1.内容と構成

内容と構成は、自作のスピーチでの最重要ポイントです。

トピックは自由に選べるようになっていますが、評価が高いスピーチは以下のものが含まれていることが多いです。

個人的な経験から学んだ普遍的なこと
時事問題への自分なりの解決策
よくあることを別の観点から見た気づき
聴衆を和ませる、笑わせるなどの心に訴えかける工夫

ジャッジが、「なるほど!」と膝を打つようなこと、新しい観点で他の人に思わず教えてあげたくなること、今日から試してみたくなること、などです。

内容が良くなければ、いくら発音が良く表現力があっても、高い評価にはつながりませんので、創作部門でスピーチコンテスト出場を考えている場合には、しっかり時間をかけて題材を探し、内容を吟味し、校正に校正を重ねて仕上げていきましょう。

構成とは、英語には決まった作文の型がありますので、基本的にはその型に合わせ、そこから制限時間や語数に合わせて盛り込んでいくのが良いでしょう。

段落1:導入と主張

段落2~4:そう考える理由、説明、例

最終段落:まとめと結論


作文の方法については後日詳しく別のブログ記事でご紹介したいと思います。

2.伝える力=技術

伝える力とは、英語を音で表現する技術のようなものです。

具体的には

1.強勢、発音、リンキング

2.イントネーション

3.声の大きさ

4.英語らしい声の出し方

5.Prosody(プロソディ・音程やリズムの変化と強弱)

6.英語のスピーチミュージック

などです。

最初の3つの基本ポイントをマスターしたら、実用編の4~6が重要になります。

これらは辞書や教科書には書いてないことで、一般的な英会話では伝わればよいということであまり重視されませんので、スピーチの練習でマスターするようになります。

英語らしい声については、子音の発音がよりはっきりと聞こえるのは、喉や胸から出す声になります。

日本語の声は、口と頭で作られるので、繰り返し練習して英語らしい声の作り方をマスターすることで、英語らしい声と発音になります。

 

また、日本語に独特の音調があるように、英語にも英語独特の音調やリズムがあり、それがプロソディやスピーチミュージックと呼ばれます。

英語のスピーチミュージックと言うのは、英語独特の音楽のような音程とリズム、強弱の変化です。

スピーチミュージックには、

声の高低差
声のボリュームの強弱
強音の時のはっきりした発話と弱音の時の「あいまい母音Schwa」の音
英語らしい声帯の使い方
有声音と無声音によるリズムの違い
基本的に強調される音節や、文脈や意見によって強調される音節の変化

などが含まれます。

ジャズを能や狂言のように歌ってみても、全く違いものになるように、いくら英語の単語一つ一つが正しく発音できていても、単語同士のつなげ方がわかっていないと、英語のスピーチミュージックとは似ても似つかないものになります。

スピーチコンテストでは、3~5分間の長い時間ずっと声で表現するので、会話では要求されないような高度な声を使う技術も重要になってきます。

3.聞かせる力=表現

聞かせる力は表現力とも言えます。

1.声音のバリエーション

2.顔の表情や目線の自然な使い方

3.メッセージをよりわかりやすくするための自然なジェスチャー

4.観衆とつながる力

などです。

1.の声音のバリエーションは、登場人物とナレーターを考えていただくとわかりやすいと思います。

台本がない状態で声だけで区別するのなら、声色の使い分けが必要ですので、「聞かせる」ということを考えて使い分けていきます。

 

2.顔の表情や目線は、聴衆に与える第一印象ですので、大変重要です。

表情が硬いと緊張が伝わりますし、目線が泳いでいると自信のなさが表れてしまいます。

3.ジェスチャーは言っていることを強調するために使います。

あくまで強調したいポイントで使うのが基本で、声に合っていて自然であり、邪魔にならないことが大事です。

取ってつけたような不自然なジェスチャーは、変ですし、聞く人に嫌悪感を抱かせる場合もあるので、注意が必要です。

4.聴衆とつながる力は、聞いている人の意識を自分の方に向け、相手が聞きやすいように工夫することで生まれます。

聞いている相手を思いやり聴衆ありきでスピーチをする、相手に伝わりやすい、わかりやすい声や表現、表情やジェスチャーを使う、自分が言っていることがしっかりと染みこみように考える間を適度に取る、など、理解を促進するための工夫です。

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英語スピーチコンテストに向けての練習方法

審査の基準がわかりましたので、ここからやっと本題に入ります。

コンテストに向けて何を練習するかを見ていきましょう。

ここでは、原稿はすでにあるものとして、実際のスピーチのデリバリーの練習方法について話します。

まずは強勢とイントネーション!

デリバリーの基本中の基本は、強勢のある音節とイントネーションの理解です。

強調するところは、はっきりと伝わるように、聞こえやすく、長く、大きく、高く発音する。

そうでないところは、極力まで声を落とし、低く、短く、小さく、素早く発音する。

パーツである一つ一つの単語の発音をきれいにしたところで、全体於組み合わせるとロボットのような英語になるだけですので、スピーチの場合は全体を見て練習することが大事です。

一般的にどの単語のどの部分に強勢があるのか、この文脈ではどこに強勢をのせると伝わりやすいかなどを考え、強調する部分をハイライトしていきます。

そして、ハイライトした部分を強調するために次のような練習をします。

声の高低差をつける
声のボリュームの強弱をつける
強音の発音を正確にする
弱音の時の「あいまい母音Schwa」の音をマスターする
英語らしい声帯の使い方の練習をする
有声音と無声音によるリズムの違いを意識して話す

などです。

本番ではこれをすべて組み合わせてスピーチしますので、初心者の場合は、最初の何点かに注意して練習するようになります。

英語を普段から使っていて、基本的な発音に問題がない場合は、強弱のつけ方をさらに強調する、文脈に応じた強弱にする、などが練習ポイントになります。

 

具体的には、ネイティブの先生が作ってくれたオーディオを何度も何度も聞いて、シャドーインッグやオーバーラッピングで発話の練習をし、英文をまるで歌を歌うように覚え込むところから始まります。

原稿を見ても良いと言われていても、文章は覚えてください。

言うことすら不確かな状態では、緊張した状態での壇上での上手なデリバリーは絶対に不可能です。

 

ここで一つ注意。

書かれている単語にこだわる人がいるのですが、「声で伝える」という点をよく考えてみてください。

ジャッジは聞こえたように理解しますので、まずはしっかりとお手本の声を聞いて、すべての文が完璧に真似て暗唱できるようにしてください。

最初は型通りのことができるようになることがとても重要です。基本ができて初めて応用に進めます。

「聞かせる」を研究する

伝える力がマスター出来たら、次は聞かせる力の練習。

といっても、スピーチコンテストの練習の場合は、伝える力と聞かせる力を同時進行で練習していきますので、レッスンを受ける際には、原稿を完璧に暗唱して、デリバリーの練習に集中できる状態になっていることが大事です。

表情や目線は、ジャッジと目線を合わしながら話すのですが、完全に話しの途中で目線を動かしたりすると不自然になりますので、文節ごとに見る人を変えながら話す練習をします。

声色とジェスチャーは、スピーチの内容に合ったものであることはもちろんですが、一人ひとりのキャラに合ったものが自然と馴染みますので、年齢や性別を考慮しながらつけていきます。

声のバリエーションは、ネイティブたちが敏感に評価しますので、日本語ではオーバーに感じるくらいの高低差でちょうど良いです。

 

ジェスチャーについては、ぴったりと声にのせてジェスチャーをつけることが重要です。

さらさら~とリズムなく流すようなジェスチャーでは不自然ですし、あまりに大げさでは取って付けたようでロボットのようになってしまいます。

強調すべき単語の音節にしっかりと合わせて、声に合わせてジェスチャーを付けていきましょう。

 

最後の「聴衆とつながる」部分は、一人ひとりの魅力を最大限に活かしていかなければいけない点ですが、一般的にはやはり「笑顔」が大事になります。

始終笑顔である必要はありませんが、時々しっかり歯を見せてほほ笑む、最初と最後ではほほ笑む、などでも良いです。

ポイントは、人前で発表し、その上に評価までされるスピーチコンテストはとても緊張する場面ではありますが、ガードを下げて自分らしさを少し見せることで、聴衆も安心しますし、安心してくれば心が開かれます。

スピーカーが心を開くこと、または心を開いたように見せることで、聴衆も心を開いてくれます。

 

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まとめ

スピーチコンテストは、英語の表現力を磨くためにはとても良い経験が積める機会です。

しかし、評価されるコンテストですので、一生懸命に頑張ったからと言って、望んでいた結果につながるとは限りません。

あなたと同じように、またはそれ以上に長い期間ずっと頑張ってきた人も出場しています。

また、審査するジャッジは人間ですので、どうしても主観が入ります。

ジャッジの心に響いたポイントが自分とは違うことももちろんあり、不公平に感じるかもしれませんが、それを理由にして出ないのであれば、せっかくの機会が大変もったいないのも確かです。

ただ、せっかく出るのであれば、大いなる学びの機会になるように、今回、自分は何をマスターしようとしているのか、という点をしっかりと確認しながら練習に励むと良いでしょう。

そうすれば、結果がどうであれ、スピーチコンテストという学びの機会でのあなたの成長は確実なものになります。

比較するのは、他の出場者ではなく、過去の自分です。

素晴らしい英語のコミュニケーターになれるよう、ぜひとも頑張ってみてください!

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こんなブログです

英語という便利な言語を身につけたことで、自分の世界も子供の世界もどんどん広がることが楽しくて楽しくて(笑) この便利さと楽しさをみなさんに体験してもらえるよう、効率的な英語習得や英語子育ての方法を、第二言語習得理論の観点からお話していきます。

英語学習についての記事

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こんな人が書いてます|Eiko:岡山生まれ、岡山育ち。

英語は中学がはじめましてのコテコテ学校英語でスタート。22歳から一念発起して英語を本格的に勉強し始め、3年後には試験勉強ゼロのTOEIC初受験で945。さらにその1年後に英検1級を取得。留学経験なし!


二児の母。日本にいながら、特別なスクールに通わせることなく、DIYの独自英語教育で二人の子どもを日英完全バイリンガルに育てました。

資格:TOEIC985、英検1級、TESL



学生時代の英語と言えば、中学1年から英語を始めたコテコテの日本語モノリンガル。

高校の英語担当の先生から「お前の英語は大学受験には使い物にならん!」と言われてしまいました。


英語の成績は振るわなくても(高校卒業時点で英検3級しかなかった!)、英語自体は大好きだったので、なぜか「英語くらいは絶対に喋れるようになってやる!」という変な自信があったのと、鼻息だけは荒かったのは覚えています(笑)

ただ、世の中そんなに甘くない!(苦笑)

今のカナダ人の夫と結婚し、カナダに1年10か月住んでいましたが、自信がなくて英語が全く声に出せず、外に出るのが恐くて、電話が鳴ったら悲鳴を上げるくらい怯える状態。。。

結果、1年10か月の内の1年半は、ずっと自宅に引きこもりをしていました。


そんなダメダメ状態でしたが、トロントの銀行でのとても嫌な出来事から、「この国では英語で主張しないと、いないのと同然の扱いを受ける」ということが骨身に染みて、それ以降は堰を切ったように話すように。

間違ってもいいからとにかく話さないと!の態度がやっと身につきました。(と言っても、いまだに間違えるのは恐いので、しゃべるのには勇気が要るんです。性格は変わらないけれど、自分の特性に合った対策はできますよ。)


その後1年半のうちに、TOEIC945と英検1級を取得しました。

今まで指導してきた生徒の多くは、高校卒業までにTOEIC900以上、英検1級・準1級を取得。
卒業生ので英語圏の大学に正規留学した生徒は5名、その他、東京大学(理1,2,3)、京都大学(物理学・法学)、名古屋大学(工学)、九州大学(経済学他)、岡山大学(医学部他)など。

英語は新しい扉を開けてくれる魔法のツール。どんなチャンスがやってきても逃さないように、生涯英語力を上げ続けることと信じてます。

趣味をほぼ全部英語がらみにすることで、日本にいながらも英語力を上げ続けています。
     

スピーチコンテストに向けての指導も行っています

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