今年度からメイプル赤磐教室で英検準会場受験が復活しました!
受験料が大幅に上がり、特に本会場での受験料がかなり高額になっていたので、メイプル準会場での受験を喜ばれていた方が多かったです。
さて、英検申込は終了しましたが、
「申し込んだけれど効果的な対策はなに?」
「今度受けてみたいけれど、初めての場合はどの級から受けたらいいの?」
などのよくあるご質問にお答えします。
まず一番効果的な勉強方法は、過去問を教材とすること、です。
英検のサイトに行くと、過去3年分の過去問がリスニング音声付きで掲載されています。大変ありがたいことです。
は?それだけ?って感じなんですが、実はこれが一番効果的なんです。
でも、ただ問題をやりっぱなしにするのではなく、大事な学習ポイントがありますので、それをご紹介しますね。
過去問は長文読解からやる
大問の1はお馴染みの単語問題ですが、英検の過去問を「教材」として使うときには、長文問題からやっていきます。
1つ目の理由は、単語問題はわからないとアウトなので、学習に広がりがないから。
2つ目の理由は、1つ目と少しかぶりますが、単語でつまづくと「英検はとても難しい」という印象がついてしまって、やる気がなくなってしまうから、です。
具体的な学習方法は、長文読解問題の答えを選ぶだけでなく、本文の理由が書いてある部分に線を引いて、どこから答えを導き出したのかを示します。
よくある過去問の間違った使い方で、とにかくたくさん過去問をしてみる!というのがありますが、それははっきり言って問題の無駄遣いです。
英検は大体の級で70%以上正答すれば合格しますが、できれば80%得点を目指して勉強したいものです。
100点満点中70点しか取れていないテストでは、「できた感覚」は持てないと思います。
そんな状態で英検に受かってしまっても、次の級に到達するまでに内容がわからないまま時間がかかってしまうだけです。
ですので、せっかく勉強するなら80%の正答率を目指すことをお勧めします。
一生役に立つ英語を身につけるためには、英検はゴールではなく、単なる通過地点だということを忘れないでください。英検をうまく利用して、自分の実力をアップ褪せていきましょう。
長文の取り組み方に話を戻します。
長文読解問題は、3級までは質問の意味が分かって、本文から正解の単語を引っ張って来ることができれば正解します。
準2級になると、単語だけで正解の場合は半分程度になります。残りの半分は、選択肢には本文で使われている単語が出ているが、その他の部分が正しくない文章になっていたります。
2級以上になると、本文に書いてある単語がある選択肢を選ぶと、間違いの可能性がかなり高くなります。
こうなってくると、問われていることや本文の意味がきちんとわかっていないと、「ひっかけ問題ではないか?」と変な勘繰りを入れすぎて、長文で全く正解できなくなります。
ということで、長文読解問題が正解しているかどうかだけではなく、どうしてその答えにたどり着いたのかという理由も一緒に答えることができるように、過去問を使って訓練していくことが大事です。
私が指導する際には、答え合わせをした後、正解であってもそうでなくても、生徒にすべての答えの根拠を答えてもらいます。
こうすることで、自分の解答を批判的に見て、どうしてそこにたどり着いたのか、自分の考えの筋道を深く考えることができます。
長文の過去問をこのように使うことで、「合ったか合わないか」という力試しだけでなく、問題を精査して本番に備えることができるようになります。
大問1の単語問題は正解文だけをしっかり覚える
単語問題をやった後に、こまめにすべての単語の意味を調べて勉強している人がいます。
時間がかなり無駄になるので、やめておいた方が良いです。
なぜかというと、英語にはコロケーションという単語と単語のよくある組み合わせがあるので、それを無視した状態で単語だけ覚えても使い物にならないからです。
でも、正解の単語はしっかりと完璧に覚える必要があります。それも、単語だけでなくて、一文丸ごと覚えるのが大事。
理由はコロケーションも一緒に理解するため、です。
「この単語とこの単語はよく一緒に使われる」ということを、体にしみこませていかないと、いざ自分が話したり書いたりするときに使えなくなります。
英語を聞いているときにも、つながりがわかっていないと、思い違いの原因にもなります。
反対に、しっかりわかっていると、少々単語を聞き逃したとしても、全体の文脈から聞き逃した単語が何であったか推測することができるようになります。
単語問題の正解の単語を入れた文章を、何度も何度も音読して、目で見て、口で発声して、耳で聞いて、書いて、五感を使って確実に自分の使える英語にしていきます。
ここまですれば、次にその単語が出てきたときには、どんな文章で使われていたのかまで覚えているくらい、よくわかるようになっているはずです。
言語の理解には、受容言語と表出言語があり、前者が聞いたり読んだらわかるもの、後者が自分が自由に使えるもの、になります。
英語を話すためには、後者の表出言語を増やしていくことが大事ですので、英検の勉強をしているといえども、その先にある「英語を話す」という目的をないがしろにした勉強方法は回り道以外の何物でもありません。
本質をしっかりとらえた学習方法で、最終ゴールまで確実にたどり着いてください。
どの級から受けたらいいの?
これは年齢によりますが、小学4年~中学1年で英語のテストが初めてなら5級から始めるのが良いですが、例えば小学1年から英語をやっていて、中学になって初めて英検を受けるという場合には、もう少し上の級から受験しても良いでしょう。
どの級が良いのかはわからない場合は、一度過去問を解いてみるのが良いです。
受けてみようと思う級の過去問をダウンロードし、制限時間内で本番さながらに解いてみましょう。
正答率が7割以上であれば、合格圏内に入っていますので、その級で受験準備を始めて問題ないでしょう。
級によっては作文問題があるとはいえ、問題のほとんどが4択であり、誤答へのペナルティもないため、受験する級の内容としっかりと理解した状態で合格するために正答率8割以上を目指したいものです。
合格癖をつけるというか、英検の問題や解答方法に慣れるためにも、5級から受験するのが良いですよ。
なんと!5級から順当に受けて、1級まで合格すると特別賞がもらえます!
5級~1級まで合格すると英検「特別賞」がもらえる!
以前にメイプル生(当時高校2年生)が5級から1級まで合格した時にいただいて初めて知って驚いたのですが、
5級合格から10年以内に1級まですべての級に合格すると、英検「特別賞」がいただけるんです!
「過去10年間で5級~1級のすべての級を取得した方の中から、英検CSEスコアが上位の方に贈られます。」
英検サイトより
これは特別ですよね!
ということで、せっかくチャレンジするなら5級からやって、毎回良いスコアで合格し、特別賞を目指しましょう!
ちなみに、特別賞をもらった生徒が5級を満点で合格した時も、特別に満点賞を送付していただきました。
気を付けておきたいこと
中学生以下のお子さんの場合は、受験申し込みをする前に、必ず過去問に挑戦してから申し込みをすることをお勧めします。
なぜなら、子供は失敗すること、不合格の通知を受けることにとても敏感だからです。
できれば、2級までは失敗することなく受験させたいものですし、子供のレベルをきちんとアセスメントできていれば必ず避けることができます。
成長している、実力がついていると感じさせるのが目的なら、英検以外の方法もあります。
正答率が6割以下の場合には、内容がちっともわかっていない状態の可能性が高いです。
レベルにあっていない問題にいくら取り組んでも、時間がかかるばかりで満足度も低く、理解も進まず、次にもつながりません。
まだ掛け算がわからない子供に、連立方程式を解かせるようなものです。
英検にこだわり過ぎて、結局は英語力の向上スピードを極端に遅くしてしまった生徒を今までに何人も見てきました。
ぜひもう少し広い視野で英語学習を見ることをお勧めします。
それに、良い成績で合格しないと、英検「特別賞」がもらえなくなってしまいますよ!
小学4年未満は英検Jr.から始めると、子供も楽しめる
小学4年未満の場合は、読み書きできるレベルや英語学習期間にもよりますが、英検Jr.のブロンズ、シルバー、ゴールドのどれかからスタートした方が良い場合が多いです。
英検は読めることが前提ですが、英検Jr.は絵と音声中心です。
小さい子は音から覚えるのが得意なので、読むことがまだ上手にはできないけれど英語の理解力を測りたい場合には、英検Jr.の方が力を正確に測定できます。
また、英検Jr.は小さい子への「テスト」や「合格不合格」というプレッシャーも大きくないのがありがたいです。
英検はマークシート式なのに対して、英検Jr.は、オンライン版は答えをクリックする、ペーパー版は〇をつけるだけです。
英語のテストも初めての上にマークシートなんて、、と、小さい子にとっては、慣れていない答え方まで覚える必要がないので、精神的に楽です。
英検Jr.は合否ではなく、正答率が出ますので、次への学習につなげやすいです。
英検Jr.も、満点を取った子には、特別な賞状が贈られますよ!
今ある力を最大限に発揮して、次につなげていきたいですね!
まとめ
英検は合格点が低いので、受かるだけならそんなに難しい試験ではありません。
でも、その先にある「使える英語」への道を無駄にしてしまっては、元も子もありません。
受かればそれだけの力を期待されますし、自分自身にも期待してしまいます。
そこにたどり着いた方法が本当の意味での英語の実力を伸ばすものでなかったとしても、です。
英検という機会をうまく利用して、自分の英語力を上手に伸ばしていきましょう。
これから英語を使う人に必要なのは、英検のどんな級よりももっとずっと先の力なのですから。