海外の先進国は国語の中で教えている言語技術。
グローバル化で、これから日本の子供たちは彼らに混ざって仕事をすることになります。
異質な他者と意思疎通をはかる、状況を相手にわかりやすく説明する技術。
英語が話せるようになるためには欠かせないスキルですが、AIやコンピュータを使う時にも必要です。
言語技術「思考力・判断力・表現力」は他教科で身につけることになっているが、、、
問題なのは、日本では今まで体系的に言語技術や論理的思考のスキル形成トレーニングを行っていなかったので、自分自身が満足に使える人がいないため、教えることなんて難しいというところです。
自分が経験していないことは、想像することも難しいですし、教えるのはなおさらです。
概念自体が浸透していない状態ですので、世界で通用するだけの言語技術を子供たちが学校教育で身につけることができる環境が整うまでにはかなりの時間を要すると思われます。
論理的思考とは?クリティカルシンキング(批判的思考)とは?
論理的思考とは?
説得力のある理由で考えを共有すること。その結論にたどり着いたのは当然だよね、と相手に思わせられるように、自分の考え方の道筋をわかりやすく説明すること
クリティカルシンキング(批判的思考)とは?
物事を多面的に捉えること。何を捨て、何を残し、何を取り入れるか、事実の捉え方とそれを踏まえた上での判断の下し方。
言語活動では足りない
学校での英語に言語活動という項目がありますが、「活動」では必要な力は身につかないのではないでしょうか?
活動はやって終わり感が強く、どうしてそうなるのか、どのようにすれば改善できるのか、というポイントが見えてこないように思います。
その上、母語の日本語ですら満足にできないことをどうやって英語で満足できるレベルまでやっていくのでしょうか、という疑問も残ります。
20年か30年経って、今の子供たちが大人になり、世代交代でもすれば良くなるかもしれませんが、現在進行中で子育て中の私たちはそんな悠長なことは言ってられません。
そこで、家庭の出番です。
実は、いろんな場面に出会うことができ、一人ひとりが必要なサポートを与えられる家庭の方が言語技術は伸ばせるのです。
家庭でないと身につけられない?!
言語技術「思考力・判断力・表現力」の素地作りを実践すると、お子さんと言葉での深いコミュニケーションでできるようになります。
お子さんが創造的になり、家族がより近くなり、分かり合えると感じられると思います。
一緒に見ていきましょう。
言葉を駆使して説明する
レシピ、マニュアル、道順、どこに何があるか、物の状態、人の服装・表情・様子などを言葉だけで表現していきます。
「ほら、そこにある、それ取って!」
はNGです。
ほらって誰?
- ●ちゃん
どこにある?
キッチンのテーブルの真ん中に置いてある
何?
空になった醤油入れ
わかりやすい説明
「●●ちゃん、キッチンのテーブルの真ん中に置いてある、空になった醤油入れを取って!」
例えば、「冷蔵庫にあるジャム取って!」は、我が家の場合は喧嘩になります。
冷蔵庫はビン類が乱立していてジャングル状態なので、ジャムだけでは正しいのを見つけてもらうのは難しいんです。
わかりやすい説明:
「冷蔵庫の一番上の段の左端の奥の方にある、キャップが赤と白のチェックのチェリージャムを取って」
他にも、同じようなものが並んでいるときに、自分はどれを見ているのか、というのを指ささずに言葉だけで説明する状態を思い浮かべてください。
例えば、電気屋さんに行って、時計を選んでいるとします。
丸?四角?長方形?置時計?壁掛け時計?デジタル?アナログ?素材は?枠の色は?文字盤の色は?文字は?
言葉だけで説明すしようとすると、かなり具体的になります。
自分の見ているものや、頭の中のイメージを、どうやって的確に相手に伝えるか、が言語技術の説明で大事なことです。
「そこのそれ取って」はもうやめましょう(笑)
日本人は道順の説明が下手って、外国人には有名なこと?
「●●にはどうやって行ったらよいですか?」
「この道をずーっと、ずーっとまっすぐ行って、右。」
「??」
日本は欧米のように通りに名前がついていないので、説明しにくいとも言えるかもしれませんが、
何個目の信号を右、左手に白い看板の銀行があるからその次の曲がり角を左、など、
普段から使っているもの、わかっているところでも、言葉を使って具体的な説明ができるように挑戦してみてください。
その他にも、音楽、花、食べ物、飲み物、肌ざわり、などを言葉を使って言い表すことで、表現力や語彙力を鍛えることもできます。
他の人が一度使った言葉は、二度と使えない、というルールを作ると、さらに想像力が増しますし、
一番最初に挑戦してみよう、という気にもなるのではないでしょうか?(笑)
なぜなぜ?
自分がなぜそう思うのか、なぜその考えになったのか、家族でお互いに理由を言えるように練習してみましょう。
なぜそう思う?
なぜ悲しい?
なぜ嬉しい?
なぜ悔しい?
どう美しい?
何に腹が立つ?
どうすればもっとよくなる?
共有する
同じテレビ番組や映画、マンガや本を読んで、家族で意見交換するのがおすすめです。
人は同じ場所で同じように経験しているように見えて、感じ方はひとそれぞれだということがよくわかります。
注意刷る点は、何が良い悪いでなく、どうしてそのように考えたのか、他の人が納得できるように言葉で説明できるかかどうかを基準にしてください。
パーフェクトな答えなんていりません。
練習とフィードバックが大事です。
私たちに自然に備わっている理解力を使い、相手の話しを聞いて、頭の中で明確なイメージになるかどうか確認してください。
そして、説明でどこまでわかったかをお互いに知らせるようにしてください。
話している人は、それを踏まえて足りないところを補うようにしていきましょう。
会話のキャッチボールの回数をできるだけ少なくし、ミスを失くし、時間を短縮しながら、相手の頭の中に自分の頭の中にある写真を移しとってもらう、映像化・画像化・ビジュアライズするというのが、言語技術トレーニングの仕方です。
言語技術(Language arts)はコンセプトを知るだけでは全く使い物になりません。
頭でっかちではなくて、応用してスキル化できるように練習を積んでいくことが大事です。
ぜひ家庭での会話を増やして、楽しく練習してみてください。