って思っている方はたくさんいらっしゃいますよね。
「ネイティブの正しい発音をたくさん聞いたら、彼らの正しい発音が身に付く」
と思われている方もたくさんいらっしゃると思います。
実は、これって、正しいし、間違っているんです。
なぜか?
10歳以下の子供であれば、正しい発音を毎日数時間聞けば、発音は自然ときれいになります。帰国子女や、日本国内でもインターナショナルスクールにいっている子は、
しかし、大きくなって自分の母語、私たちの場合は日本語の音声体系が確立してしまった後では、正しい発音を毎日何時間も一生聞こうと、発音が矯正されることはありません。
これは、英語圏に在住の母語を英語としない方たちによく見られます。
私も、カナダに住んでいたころお会いした、カナダ在住暦25年といわれる50代の方のあまりに強い日本語訛りに驚いたことがあります。
大人になると、どうして子供のように聞き流すだけできれいな発音にならないのでしょう?
それは、自分の母語を確立してしまった後は、聞こえてきた新しい音を自分が作り方を知っている音で表現しようとするからです。
例えば、L, Rはどちらも日本語にはない音ですが、これらのまったく異質な音を、日本語の「ラリルレロ」に当てはめて発音しようとしてしまうのです。
※LとRの音については、今日の脚注に少し詳しく書いていますので、ご覧ください。
ならば、大人になったら発音を治すことができないのか?といえば、そんなことはありません。
私も、日本の中高で学校英語を学び、22歳から本格的に英語を勉強して、発音も試行錯誤しながら矯正したので、方法さえわかって、練習を重ねれば誰でもできるとわかっています。
英語の音と私たちが話している日本語の音の違いを理解して、英語の音を正しく発音する手がかりに、正しい音が作れるようにすれば、意外と簡単に正しい発音が身に付きますので、一緒にみていきましょう!
日本語ネイティブにとって、マスターすることに時間がかかる子音と母音がいくつかあります。
似たような音が日本語に存在する場合に、日本語の音と同じとして理解してしまうため、英語の音が作れるようにならないのではないかと思います。
私が文法クラスやスピーチコンテストの練習で子供たちに発音指導をしていて、大勢の子に共通して認識できていなかった音があります。
今回は、その音のうち、
”日本語ネイティブにとって、マスターすることがもっとやっかいな子音第1位~5位”を紹介します。
やっかいな子音:第5位は・・・
「TH」
舌を上下の前歯の間に軽くはさむ、または、軽く当てて、息を吐き出しながら舌を引いて出す音です。
できましたか?
無声音(声帯が震えず、呼気だけで出す音)と有声音(声帯を震わせて出す音)があります。
発音記号で表記すると、
[θ] 無声音
three [θriː]
fourth [fɔrθ]
thesaurus[θisɔːrəs]
telepathy [telepæθi]
think [θiŋk]
south [saʊθ]
throw [θrou]
this [θis]
that [θæt]
[ð] 有声音
this [ðis]
than [ðæn/ðən]
father [fɑːðər]
breathe [briːð]
mother [mʌðər]
などがあります。
“TH”は、書いてあればほぼ必ず発音されますので、今まで『3はスリー』とか、『ファーザー』と発音して、
”S”や”Z”の音で置き換えていた方は、”TH”を意識して発音してみてください。
“TH”は、this, that, theなど、頻出の音なので、一音変えただけでも、聞いている人に、特にネイティブの先生に、「発音、上手じゃん」って思われると思います。
ぜひ実践してみてくださいね。
次回は、
”日本語ネイティブにとって、マスターすることがもっとやっかいな子音第4位”
をご紹介します。
発音に関することでご質問等ありましたら、ぜひコメントくださいね。
{LとRの音について}
L音はどちらかと言えば日本語のタチツテトに似ていますし、R音は舌先を後ろに巻く、または上に反らせて、口中のどこにも付かない状態にし、声帯を振るわせたときに出る音です。
どちらも日本語には存在しない音なので、作り方を知らなければどうやっても発音できませんが、一度慣れてしまえばL & Rは比較的簡単に克服できる音です。
単語の頭についているのか(write, light) 、それとも中にあるのか(field, dry,salt, flight)、Rなら母音と一緒に発音されるのか(art, floor, air, course, earth)、語尾についているのか(car, tell, ball, singer)など。
それぞれ聞き取れるようになるまでの期間は変わりますが、かなり時間がかかる場合もあります。
girl、pearl, library
など、L&Rが一緒に出てくるの音は慣れるまでが大変です。
他には、母音とRが一緒になった音は別の母音分類ですので、またの機会にご紹介します。