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英語を話す以前に、何を、どのように、なぜ話したいか、がわかっていないと、言語での意思疎通をすることはできません。

「相手に伝わりやすいように、自分の気持ち、考え、情報を、どの順番で、どのような言葉でどのように伝えるか」

 

 

これが、言語技術であり、生まれ持った能力ではなく、トレーニングによって習得可能なスキルです。

世界に通用する教育のキモになるのが、実は言語技術の習得。 でも、学校も、塾も、親も、子供も、関係者はみんな何なのかすらよくわかっていないかも。。。?

言語技術は、グローバル化、情報化、英語化、すべてに対応するためになくてはならない最重要スキルです。

 

なぜなら、異質な他者と意思疎通するためには、相手の理解度を考えながらわかりやすく説明する力が必要だからです。

AIや翻訳機を利用するにしても、私たちが明確に表現することなしに、機械が読み取ってくれることはあり得ません。

機械ほど異質なものに上手く「理解させる」ためには言語技術の向上は不可欠です。



言語技術の習得は、先進国ではどの国でも国語の中で行っている言語スキルのトレーニングですが、

日本では知られていませんし、習得も始まったばかりです。



なぜこんなに遅れているの?

日本では今まで「わかりやすく伝える」スキルが軽視されてきました。

 

日本の学校教育は未だに知識偏重になっていて、

1つの正解があることが前提で、正しいかどうかが判断基準、減点方式だということも理由のひとつでしょう。



別の視点から見て議論を深めたりしようとする態度は、プロセスよりも結果重視の社会では評価されません。

 

会社のミーティングや会議に出ても、みんな押し黙って神妙に話しを聞く、というのがよくある光景ではないでしょうか?

 

みんなでボールを投げ合い、吟味しながら結論にたどり着くよりも、

予め想定された正解に、誰よりも早く効率よくたどり着くことが評価されるということでしょう。



日本の教育や文化自体が、言葉をたくさん使って、自分の考えや気持ちを明確に表すことを良しとしていませんでした。

 

阿吽の呼吸、一を聞いて十を知る、言わなくてもわかる人、が評価されるのは、

 

先輩や、その場を仕切る人にとって、相手にすべてを教えなくても、すぐにわかってくれたら、それくらい楽なことはないからでしょう。

 

「これは、こういうもの」という暗黙の了解があれば、物事はさっさと進みますし、波風も立ちません。

ただ、相手が本当にわかっているのか、納得して従っているのか、ということは不明のままです。。。



ただ、議論がないということは、変化の兆しさえも見えないということでもあります。

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こちらからわざわざ言葉を尽くして説明するなんて、面倒で仕方ない、というのが大半の今の日本人の気持ちでしょう。

私も、仕事ではネイティブ講師と始終衝突しますし、家庭は国際結婚ですので、常識の違いや捉え方の違いは日常茶飯事です。

 

ただ、気分を害して黙っていても仕方ないですし、相手が納得しないと物事は前に進みません。

 

郷に入っては、郷に従え!ではなく、

根気強くわかるまで説明して「郷に従わせる」、

または、ネイティブ講師がもっと良い方法を提案できるのなら、それを試してみる、

という、強靭かつ柔軟な姿勢が大事です。

 

どの場面でも、相手がどうやったらわかってくれるのかを考えながら、論理的にわかりやすい説明が不可欠であり、

コミュニケーションについて深く考えさせられます。

日本:同じであることがよいこと。私たちはみんな、伝えなくてもわかり合えている 発展する国:多様であること〇。私たちはみんな、伝えないと絶対にわかり合えない

カナダやアメリカなどの多様な国は、

宗教や民族の違い、文化の違い、出身国の違い、貧富の差、多様な人で成り立つ社会です。

みんな一緒ではなく、多様な考えをする人がいるから、社会が変化しても対応して生き残れる人が出てきます。

多様な考えを理解するには、労力を惜しまず、お互いにわかりやすいように説明するありません。

ディベートでの勝ち負けでなく、ディスカッションで、お互いの着地点を探す態度を持つことが大事です。

論理的に相手にどう説明して、どうやって意見をこちら側に少しでも引き寄せるか、

事実だけでなく、モラルや心情も考えて、話を構成していく工夫も必要です。

 

それでは、私たちはこのようなコミュニケーションが、母語の日本語でできているでしょうか?

これが「言語技術」であり、生まれ持った能力ではなく、年齢に合わせた繰り返しのトレーニングによって獲得できる「スキル」です。

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欧米の子のあるある

例えば、カナダの3~4歳児に話しかけると、聞いてもいないのに判断や思考の理由を教えてくれます。

Do you like…? に対して

 

“I like apples because they are crunchy and sweet.”

“ I like dogs because they are fluffy and cute.”

 

聞いてもないことを、いっぱい答えてくれて、対応に困る、、、状態になります(-_-;)

理由を言わずに、”I like …” だけで答えてくることはほぼないです。

 

日本の子はどうでしょうか?

「りんご好き?」

に対して、自主的に相手が納得のいく理由をつけて答える4歳児がどれくらいいるでしょうか?

欧米での言語技術トレーニング

欧米では、自分の思いの根拠を伝えることは、コミュニケーションの基本であり、3~4歳児が自分の考えを上手く話せるのは、就学前から言語技術の指導を親が家庭でしているからです。




幼稚園ではShow&Tellで、自分のお気に入りを園に持って行って、どんなものか、どうして好きか説明をみんなの前で発表します。

 

小学校では文章の読み方を学ぶだけでなく、説明文、物語文、を自作する方法を学びます。

 

発話が不明瞭な子供は、スピーチセラピーに通うよう言われます。口頭でのコミュニケーション力を改善しておかないと、将来つける職業が限られてしまうからです。

 

自分の考えを他人にわかりやすく説明できること、明瞭に発話できることは、コミュニケーションの基本です。

 

中学では、段落構成を学ぶ、グラフの比較、類似と相違についてレポートにまとめる課題が出たりします。

 

他の生徒の答えを書き写せるような、量だけを与える課題はまず出ません。

そんなものを出しても、生徒はインチキするってわかってますので、知識を試す問題は定期考査等で出されます。

 

高校では、理科実験レポートをペアで仕上げたり、歴史は自分でテーマを見つけて小論文を書く課題が出たり、英語は文学作品を1冊読んで、シンボリズム、人物描写、登場人物の作り方や役目、テーマについてエッセイを書いたりします。

 

高校卒業までに一通り、筆記と口頭の言語技術を学び、自分を表現できるように教育しています。

 

課題はWordなどに打ったものをオンラインで提出しますが、ネットで拾った誰かの作文をコピペすることは絶対にできません。

 

生徒一人ひとりの課題を、盗作かどうかをチェックするためのデータベースを使って確認するため、一発でバレます。

オリジナルの作品でないと評価対象にはならないばかりか、繰り返すと進級、進学できなくなります。




このように、欧米の先進国が国語教育の中で重要視している言語技術のトレーニングを日本の学校教育でも入れていかなければ、日本人は世界とコミュニケーションすることができないままだ、ということで、思考力、判断力、表現力、というくくりの学びが日本の学校教育に入ってきました。



世界は情報と科学技術の世代に入っていて、思考力で情報を精査し、科学技術をコントロールする時代です。

変化の速さは今までの何倍にもなっています。

国も人も変化に対応できないと廃れてしまいます。



日本では、このスキルの重要性さえも未だに十分に理解されていないという、危機的状態です。

 

言語技術スキルがないと、単語や文法、発音などの英語の運用力があったところで、英語は話せません。

なぜなら、母語ですらできないことが、英語でできるはずなどないからです。

 

ですので、英語力を高めると同時に、「言語技術スキル」を高めていくことが、これからの日本人にとって大変重要な課題になります。

 

(次のブログでは、家庭で毎日楽しく実践できる言語技術トレーニングの具体的な方法についてお話します。)

メイプルでは20年以上前から、

日本の学校でやっている文法と日本語ベースの英語ではなく、

CLIL(クリル:Content Language Integrated Learning)と呼ばれる「英語で知識を広げる」教材を使ったり、

BOOKSクラスでは英語とイメージをつなげ、英語を英語で考える英語脳をと、

SLクラスでは音声によるコミュニケーションを、

CR作文クラスでは小論文につながる論理的思考力や説明力を、

生徒の英語の捉え方、伝え方が世界基準に近づくように指導しています。