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2020年から大学入試改革が行われますが、英語の試験は今までよりも高いレベルの実践的英語力が要求されるなります。小論文、説明文、メールなど、様々な場面での文章による英語表現力がさらに多く問われるようになりますが、従来通りの日本の学校英語の和訳による読解への取り組みや、詰め込み型の文法と単語の学習をいくら真剣にやっても、英語で全く発言できない典型的な日本人になるだけで、今後問われる作文力への対応はできません。

 作文力が必要とされる理由は何でしょうか?それは、順序立てて論理的に話をする力が求められているからです。毎年来日外国人数は増えており、少子高齢化で国内需要が減る中、海外に活路を見つけて進出する日本企業も増えています。世界で最も使われている言語である英語で、国や文化が違う相手に状況を正確に伝えたり、自分サイドの考えや立場などを明確に表現する力がこれからの人材には求められます。もちろん最終的には論理的に話す力も必要になりますが、考えがまとまっていなければ、瞬時に応えることが必要な場面で話すことは不可能ですので、まずは作文力をつけることで論理的思考のトレーニングをすることが必要なのです。

 カナダやアメリカなど多民族国家において、異なる生活や文化背景を持つ人々が共存するためには、お互いに納得できるように伝えあう努力が必要であり、欧米の学校教育では、相手にわかりやすいように物事を説明したり、論理的に自分の意見を書いたりする手順をしっかり学ばせます。具体的には、小学生のころから、学校でたくさん発表する機会を設け、作文をさせ小論文の書き方を徹底的に指導します。正解を丸暗記することが高評価につながる詰め込み型の教育を受けてきた日本人にとって、自分のことについて書くことはもちろん、論理的に表現する小論文などは難関です。海外留学した日本人学生もほぼ全員が、学力的には問題がなくても、文章を書いたり分析したりする論理力を問われると非常に難しいと感じています。

 英語で論理的文章を書く力は、順序を追って習わなければ身に付かない力です。スピード、正確さ、流暢さ、さらには個性なども含め、本番でしっかり実力発揮できるようになるためには、早くから練習して準備しておきたいものですね。